2010-02-13 (Sat) コラム
このコラムに載せる文章を書けとホームページ担当者に言われ、ハタと困った。書く事がないというのではない。問題はそれ以前だ。何を書くかでも、どう書くかでもない、書くための土台の問題があるのだ。
どんな問題かと言えば、書こうとした時、どうしても外の目が気になるのだ。文章を書く以上ある程度気になるのは仕方ないが、問題はそれほど単純ではない。なんてったってこのホームページ、民青京大班のなんですよ。民青のホームページのコラムなんて、いかにも政策論で埋まっていそうじゃないですか。まあ、僕は書きませんよ。知識もないし意欲もない。
つまり、すでに書く内容の予期された立場というものがある。実際には僕らは同盟員以外の人とたいした違いがあるわけではない。そりゃ、ちょっとは違いましょうけれども。でも、民青に何の関係もない人で、それなりのマイナスイメージを持った人にとってはどうだろう。僕らが予期されたとおりのことを書いても、まったく関係ないことを書いても、「やっぱりね。ああ、いやだ」とか「こんなの民青に関係ねーじゃん」といった反感をもっちゃうんじゃないか。それは困る。だって文章のせいじゃないんだもの。
今後このコラムで好きなことを書くために、僕はこの最初のコラムで一度、民青の同盟員としての立場をゼロに戻しておきたいと考えた。コラムは本来穴埋めの文章だから、好きなことを書いて良いに決まっているが、何を書くにせよ、それは独り言ではないのだ。読む人がいる。
というわけで、僕はあなたのことを意識して書く。気を使って書くというのではない。好きなことを書くが、自分が誰かにしゃべっていることを意識して書く。誰かって誰だ?このページは乳幼児からお年寄りまで、誰でも閲覧可能だ。
そして書いているのは僕です。僕ですったってわかんないだろうけど。このコラムの文章を読んで、僕の人となりをあなたは無意識に想い描いたはずだ(否定的な姿もおそらく真実に程近いし、違っていてもあなただけのせいじゃない)。そっちのほうを、あなたが読む前に持っていた、僕の乗っている台に対するイメージよりも大事にして欲しい。
さあ、こうしてお互いの立場が確認された今、恐れるものは何もない。何を書いても「僕らの立場はわかってますよ。でも書くんです」ということが僕らにわかっているし、あなたにもわかっている。ゼロに戻すのはとりあえず諦めよう。いきなり無理だろうし、僕らの立場をあなたの脳みそから追い払ってくれるのは結局のところ、こんな釈明めいた文章でなく、実際のコラムの中身だ。次回から書く人は、書きたいことを書きたいように書くといい。
政策論でもやったらどうだろう。